山の話あれこれ   

私と山との出会い     初めての山登り     ひげやんの富士登頂記   山の歌


私の山との出会い
私が山らしい山に行ったのは私が小学校2年生の時でした。乗鞍に行ったのですが今のように上までは車は入れませんでした。
車を降りて山を登りながら私が驚いたことは自分が霧の中にいること。雲の中に居るんだと不思議な気分でした。
それから大きな大きな木に垂れ下がる「さるおがせ」根もなく空中の水分だけで生きていると聞いてその怪しげな姿に何とも惹かれるものがありました。森の神秘さのようなものを肌で感じた初めての時でした。
深い森の木の枝にカーテンのように垂れ下がっているのです。時折霧が流れて薄青く見え隠れしています。私はこの神秘的で不思議な光景が忘れらなくなりました。
(これはさるおがせの小さいのです。私が見たのはカーテンのように垂れ下がる大きなものでした。)



初めての山登り

私が初めてアルプスに登ったのは小学校3年生の時。

両親が山に行くことになりました。子供たちは留守番です。でも山に行く前日両親は話し合ったそうです。子供を一人連れて行こう。そして私が夕方呼ばれました。「一緒に山に行く気はあるか」って?
私は乗鞍の神秘的な光景が頭に残っていて「行く」と即座に返事をしました。
慌てて私のやまの用意がされました。靴は普通のズック。ナップサック、セーターなどその辺のものが適当に用意されました。
初めて行った山は燕・大天井・常念でした。
燕の登りは急でしたが、おやつだけナップサックに背負った私は子犬のように先に行っては両親が来るのを待って親の姿が見えてくるとまた安心して先に登っていきました。

初めて見たハイマツ・・・その風雪に痛めつけられたような姿。それが一面に足許に這っている。そしてなんてつややかな緑の葉。
イワカガミ・・・桜色の花。そして鏡のように光る葉。
コマクサ・・・花崗岩の白い瓦礫のなかでどうやって根を張っているのだろうと思うような姿。自分を引き立てる場所を知っているような咲き方。高山植物の女王であることを後で聞き納得しました。
チングルマ・・・あのけなげな花。雪渓の上を吹き下る寒い風の中で大きな真っ白い花を小さくふるわせている。胸が締め付けられて痛くなるほどけなげでした。

どれも花が大きく丈が短い。そして凛としている。初めて見る植物ばかり、その気高い花たちは私には衝撃的でした。
そしてとどめが夕日。一面の雲海の上に太陽が沈んで・・・・雲の上に吸い込まれるようでした。
すべてが小学校3年の私の胸にずんと染みこみました。
  
    チングルマ      イワカガミ            はいまつ
家に帰って私は両親に言いました。誕生日はしなくていい。クリスマスのプレゼントもいらない。その代わり私を山に連れてってください。次の年には私に真っ赤なキャラバンシューズが用意されました。

それからその約束は果たされ私が中学3年生になるまで両親と私の3人は北アルプスに登りました。

高校になると自力で山に行くようになりもう両親と行くこともなくなりました。

就職して久しぶりに両親と3人で立山に登りました。剣御前に宿泊です。
登りで母が辛そうで私が母のザックを背負いました。母は空身でも辛そうです。
初めて一緒に登山したとき両親はたくましくてとても大きく見えました。私の荷物を持ってくれて私はおやつだけでした。今はその母のザックを私が背負っている。なんだか切ない気持ちになったのを覚えています。気づかない間に両親は年を取っていました。



  ひげやんの富士登頂記 

ひげやんの最新書き下ろし  (引用許可承諾済み)

「ひげやんの富士登頂記」

よい子は決してまねしないでね。


関係者の皆様にはご心配をおかけしました。m(__)m
今回の経験無駄にいたしません。


奥穂の前で 縦走4日目(*^^*ゞ